写真の学校 / PROFESSIONAL PROGRAM / 全8回
去年と同じ写真を、
今年も撮れますか。
感覚は、大切です。けれど次の10年に必要なのは、感覚を支える理論と、それを再現できる実践です。
ライティングの設計から、ピントの設計、カラーマネジメント、そして納品までのワークフローまで。
「たまたま、よく撮れた」を卒業するための、実践的な写真の教室。
DURATION
全8回
48時間(座学16h+実習32h)
FORMAT
ハイブリッド
座学=オンライン・録画あり/実習=対面
CAPACITY
12名
最少催行6名
TUITION
¥300,000
税別/税込 ¥330,000・分割 ¥82,500×4回
「偶然おいしそうに撮れた」では、困るのです。
去年撮影した料理に、今年の新作を10点足す。並べたとき、去年のカットと今年のカットで、色も明るさも質感も違っていたら ── そのカタログは成立しません。撮り直しになるのは、たいてい古い方ではなく、新しい方です。
では聞きます。去年うまくいったのは、腕でしたか。それとも、その日の光でしたか。
ここに答えられないうちは、来年もまた同じことが起きます。
太陽を味方につけるのは、悪い戦略ではありません。ただし太陽は、去年と同じ角度、同じ色、同じ雲量では昇りません。窓の外の条件に仕上がりを預けているかぎり、品質は毎回わずかにずれ続けます。ずれは1点ずつでは見えず、並べた瞬間に見えます。
必要なのは二つです。
光を、待つのではなく設計できるライティング技術。
撮影から納品までが、毎回同じ結果に着地するプロセス。
このプログラムは、その二つを8回で組み上げます。
三つの論点
1 ── ライティング|光を「待つもの」から「作るもの」へ
「今日はいい光でしたね」を、「この光なら、いつでも作れます」に置き換える。
光の量は計算できます。GN=距離(m)×F値。ISOを4倍にすればGNは2倍。テスト発光を繰り返して当てにいくのではなく、数値で決めて一発で置く。
光の質も、硬さ・方向・回り込みという三つの変数に分解すれば、言葉で指定できます。指定できるものは、記録できます。記録できるものは、来年また再現できます。
1灯から組み立て、ライティング図が残る状態まで実習で持っていきます。去年の図面を見れば、今年も同じ絵が出る。それが再現性です。
2 ── ピント|「合っている」の基準は、誰が決めていますか
カメラ任せのオートフォーカスは、一点を合わせます。
けれど料理も、商品も、建築も、本当に必要なのは「手前のここから、奥のここまで」という区間です。一点しか指定できない道具に、区間を任せることはできません。
フルサイズ 50mm・F5.6・被写体距離3mなら、深度は1.24m。しかもピント面の前に40%、後ろに60%という非対称に配分されます。この偏りを知らずに絞りを選ぶのは、当てずっぽうです。
どこからどこまで欲しいのか。だから何mmの、F幾つか。逆算できるようになると、「AFでは歯が立たない撮影」が、AFに任せなくていい撮影に変わります。
3 ── 色|画面で合わせたその色は、どこまで届きますか
xy色度図上の面積比で、sRGBは33.9%、Adobe RGBは45.7%、ProPhoto RGBは83.8%。ただし「広いほうがいい」わけではありません。どこで変換し、何を捨てるかを自分で決めていなければ、印刷所にデータを渡した瞬間、色は誰かの初期設定で勝手に決まります。
まず自分のモニタのΔEを測る。そのうえでソフトプルーフから実プリントまでを一度通し、画面と紙のどこがどう違うのかを目で確認する。規格の意味がわかれば、印刷物の色は事故ではなく仕様になります。
撮影から納品まで。決めていない工程が、毎回ゆらぐ。
撮影 → 現像 → 書き出し → 納品。この流れのどこか一箇所でも「なんとなく」で通している工程があると、そこが毎回ゆらぎます。そしてゆらぎは、いちばん再撮しにくいタイミングで表面化します。
このプログラムでは、8回を通して受講者ひとりずつが自分のワークフロー全体を1枚の図にまとめ、色が壊れうる箇所に印をつけて仕上げます。抽象的な「べき論」ではなく、あなたのカメラ、あなたのモニタ、あなたの納品先で組んだ図です。
教材は全14章・199ページの教科書『写真の学校』。一貫して「物理的に何が起きているか」→「だから何を決めるべきか」の順で書かれています。
一般論ではなく、あなたの機材の数値を
8回すべてに、実測パートを置いています。
- 所有レンズ全本の最良絞り
- 自分のカメラの実効ダイナミックレンジ
- 常用光源ごとのホワイトバランス偏差
- 自分のモニタのΔE
どれも受講者ごとに違う数値になります。他人の一般論ではなく、自分の道具の実測値を持ち帰る。これが、修了後もひとりで判断を続けられる条件です。
| フォーマット | 被写界深度 | 換算係数 | F5.6の等価F値 |
|---|---|---|---|
| 中判(44×33) | 1.00 m | 0.79× | F7.1 |
| フルサイズ | 1.24 m | 1.0× | F5.6 |
| APS-C | 2.08 m | 1.5× | F3.7 |
| マイクロフォーサーズ | 2.85 m | 2.0× | F2.8 |
| 1型 | 4.67 m | 2.7× | F2.1 |
| スマートフォン | 29.3 m | 7.0× | F0.8 |
全8回のカリキュラム
各回=座学120分(オンライン・録画あり)+ 実習240分(対面/冒頭30分は前回課題の全体講評)。月2回・約4ヶ月。
| 回 | テーマ | 座学 | 実習 | 主担当 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 光と像 写真はなぜ写るのか | ピンホールが像を作る理屈と限界。なぜレンズが必要か ── 50mm F2 はピンホールの約6,300倍明るい。F値=口径比 D=f/N という読み替え | ピンホール製作と実写/絞り別の解像テスト。所有レンズの最良絞りを特定する | 両名 |
| 2 | ピント 空間をどう配置するか | 錯乱円と被写界深度、前40%・後60%の非対称。センサーサイズは深度の選択である。画角の計算。「圧縮効果」の正体は距離 | 同一フレーミング・異焦点距離のポートレート比較(24〜135mm)/過焦点距離を使った置きピン実践 | マツバラ |
| 3 | 露出 三角形と測光 | 段(EV)という共通単位。被写体ブレの実務値。反射光式測光が外す理由とゾーンシステムの実務化。ストロボ GN=距離×F値 | 入射光式/反射光式の読み比べ/ゾーン指定ドリル/ストロボ1灯をGN計算のみで決める | マツバラ |
| 4 | 階調 情報量としての露出 | ヒストグラムを情報の分布として読む。SN比=√電子数。14bit RAW は最上位1段に全体の50%の階調。ETTRが効く条件と破綻する条件 | 高輝度差シーンの復元限界テスト。自機の実効ダイナミックレンジを測る/許容ラインを納品先別に決める | RUMINO |
| 5 | 色 何を見ているのか | 色は物理量ではなく知覚である。色温度と黒体軌跡。WBホイールは結果画像の色を示す。混合光でどこを基準に取るか | 光源別グレーカード実測(常用光源のWB偏差)/混合光下のWB決定演習 | RUMINO |
| 6 | 色を守る 色空間から出力まで | 色域の実面積比。どこで変換するか。ICCとキャリブレーション。出力先別に何を諦め、何を守るか | モニタ実機キャリブレーション(自分のΔE)/ソフトプルーフ→実プリント/納品仕様書の作成 | マツバラ |
| 7 | 構図・光・時間 視線を設計する | 構図=視線の順路の設計。光の質を硬さ・方向・回り込みに分解して指定する。時間をどう切るか | ロケ撮影(光の時間変化を追う)/1灯から組むライティング/その場講評と撮り直しの往復 | RUMINO |
| 8 | 写真の意味 作品講評と修了 | 何を・なぜ撮るのか。ポートフォリオの構造。仕事としての写真 ── 見積、使用許諾、契約で確認する項目 | 最終ポートフォリオ(15〜20点)を両講師が講評/個別面談20分/修了証授与 | 両名 |
修了時に手元に残るもの
- 『写真の学校 教科書』全14章・199ページ(PDF)
- 自分の機材の実測データ一式(最良絞り/実効DR/WB偏差/モニタΔE)
- 自分用の納品データ仕様書テンプレート
- ポートフォリオ15〜20点と、講師2名による講評
- 全8回の課題への書面フィードバック/修了証
こんな方に
- カタログ・EC・メニューなど、撮り足しが毎年発生する仕事をしている方
- 印刷入稿で、色について指摘を受けたことがある方
- 納品時の説明が「今日はいい光でした」になってしまう方
- 自然光中心で撮ってきて、そろそろ光を自分で作りたい方
- 感覚では撮れる、けれどその手順を人に教えられない方
- オートフォーカス任せでは通らない被写体を抱えている方
経験年数は問いません。本文レベルと[発展]レベル(数式・実測値)を分けて進行するため、現役の方も、これから仕事にする方も、同じ回で学べます。
講師
マツバラミチヒサ|写真家
1963年、愛知県生まれ。1986年、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。阿部写真印刷株式会社、凸版印刷株式会社を経て独立し、以後、広告写真、大型カタログ、B to B領域を中心に活動する。2007年 STUDIO-QUARTZ、2009年 GALLERY-QUARTZ を開設、2014年 株式会社クォーツ設立。公益社団法人 日本広告写真家協会(APA)正会員。
主戦場は、数百カットが同じ基準で並び、翌年また撮り足される仕事である。そこで問われるのは「一枚がうまく撮れる」ことではなく、「何度でも同じ場所に着地する」こと。刷る側の工程を通ってから撮る側に立った経験は、色をモニタの中だけの問題として扱わない姿勢につながっている。
偶然に頼らないために、光を計算し、深度を設計し、色を測る。その積み重ねから、写真を成り立たせている物理を体系として書き起こしたのが、教科書『写真の学校』(全14章・199ページ・図版107点)である。全編を通して「物理的に何が起きているか」から「だから何を決めるべきか」へ降ろす順序を崩さず、本文と、数式・実測値を収めた[発展]枠を分けて構成した。
技術は選択のためにある、という立場をとる。感覚を否定するのではなく、感覚に根拠を与え、他人に引き継げる形にすること。撮影から納品までの工程全体を、誰が見ても再現できる仕様に落とすことを一貫して重視している。
主担当 ── 第1回
RUMINO
写真家
階調と質感の判断、色の運用、ライティング・構図・時間を担当。現場で下す一つひとつの意思決定を、受講者の目の前で分解して見せる。実習では撮る・講評する・撮り直すの往復を短く回し、判断の修正速度そのものを鍛える。※プロフィール詳細は差し替え
主担当 ── 第 回
第1回と第8回は両名が登壇します。最終ポートフォリオは、二つの異なる視点から講評されます。
受講要項
TUITION / 全8回・48時間
¥300,000 税別
税込 ¥330,000 / 分割払い ¥82,500 × 4回(税込) / 1時間あたり ¥6,250(税別)
| プログラム名 | 写真の学校 プロフェッショナル・プログラム |
| 回数・総時間 | 全8回/48時間(座学16h+実習32h)+個別面談20分 |
| 各回の構成 | 座学120分 + 実習240分 |
| 開催形式 | ハイブリッド。座学=オンライン(録画配信あり)/実習=対面 |
| 期間・開講 | 月2回・約4ヶ月/日程は決定次第ご案内します |
| 実習会場 | 決定次第ご案内します(第7回はロケ) |
| 定員 | 12名(最少催行6名) |
| 講師 | マツバラミチヒサ(写真家)/ RUMINO(写真家) |
| 教材 | 『写真の学校 教科書』全14章・199ページ・図版107点(PDF・受講料に含む) |
| 修了要件 | 8回中6回以上の出席、課題8本中6本以上の提出、最終ポートフォリオの提出 |
受講料に含まれるもの
- 全8回の座学(受講期間中は録画を無制限で視聴可)
- 全8回の実習(スタジオ使用料・共用機材使用料込み)
- 教科書PDF(全14章・199ページ)
- 毎回の課題への書面フィードバック(全8回)
- モニタキャリブレーション実習(測定器は教室で用意)
- 最終個別面談20分/修了証
含まれないもの
- 会場までの交通費・宿泊費
- ロケ実習の現地交通費・入場料等
- 各自の撮影機材
- プリント実習の用紙・インク実費(目安 ¥3,000)
ご用意いただくもの
- レンズ交換式カメラ(メーカー・フォーマット不問/RAW記録できること)
- レンズ(お持ちのものすべて。焦点距離が複数あると実習が濃くなります)
- 三脚/ノートPC(RAW現像環境)
- 外付けストロボ1灯(お持ちの方。貸出あり)
- オンライン受講環境(座学)
お申込みの流れ
- 申込フォームより送信(機材・マウント・経験年数をご記入)
- 事務局より受付確認と、開催確定のご連絡
- 受講料のお支払い(一括/分割4回)
- 教科書PDFの配布、事前アンケート、接続テスト
- 第1回 開講
最少催行人数に満たない場合は開講を見送り、お支払い済みの受講料は全額返金いたします。グレーカード・解像テストチャート・ピンホール用ボディキャップは教室で用意します。お申込時にカメラのマウントをお知らせください。
来年の撮影を、今年のうちに設計する。
定員12名。実測と講評を全員分やりきるための上限です。
次に同じ被写体を撮るとき、「前回と同じ」を狙って撮れる状態で臨めるように。
ご検討中の段階でのご質問も歓迎します。
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